水筒にカビが生えても捨てる必要はありません。
お酢や酸素系漂白剤を使えば、家庭でも十分に除菌でき、嫌な黒カビ・赤カビもスッと落とせます。
さらにパッキンは消耗品なので、汚れが落ちなければ部品だけ買い替えて復活させることも可能です。
本記事では、水筒のカビの取り方、パッキンの洗浄〜除菌の手順、放置すると起こるリスク、そして再発を防ぐためのポイントまでまとめました。
大切なボトルを清潔に保ち、気持ちよく使い続けるための知識が身につきます。
ではここから、水筒とパッキンのカビ取り方法を具体的に整理していきましょう。
水筒のカビは落とせる!まずは基本の除菌手順

水筒にカビが生えてしまっても、多くの場合は落とせます。
最初に試したいのは、お酢を使った浸け置きです。
殺菌しながら、ヌメリや黒ずみをやわらかくしてくれます。
まず、水筒をできるだけ分解します。
フタ、飲み口のパーツ、ゴムパッキン、ストロー付きならストローもすべて外します。
「外せるものは全部外す」が基本です。
本体とフタをバラバラにしておくことで、カビが隠れている細かい部分までしっかり洗いやすくなります。
次に、ぬるま湯とお酢を準備します。
40℃前後のぬるま湯500mlに対して、お酢を50ml入れて混ぜます。
ぬるま湯10:お酢1が目安です。
大きめのボウルや洗面器にこの液を作り、フタやパッキンなどのパーツをすべて浸けます。
本体の内側も同じ割合の液を作って入れましょう。
そのまま30分〜1時間ほど浸け置きます。
時間をおくことで、カビや汚れがふやけて落ちやすくなります。
浸け置きが終わったら、古い歯ブラシなどでパッキンの溝や飲み口の細かい部分をなでるようにこすります。
強くこすると傷がつき、かえって汚れが溜まりやすくなるので力は入れすぎないようにします。
最後に、ぬるま湯でしっかりすすぎ、パーツも本体もよく水を切ってから完全に乾かします。
ここで水分が残るとまたカビの原因になるので、分解したまま逆さにして置く・風通しの良い場所に置くなどして、内側までしっかり乾燥させるのがポイントです。
まずはこの「お酢での浸け置き」が基本のカビ取りステップになります。
パッキンのカビ取りは分解洗浄が必須
水筒のカビで一番やっかいなのは、ゴム製のパッキンにつく黒ずみです。
溝にカビが入り込むと取りづらくなりますが、外して洗えばほとんど落とせます。
まずフタを開け、パッキンがはまっている溝の部分をつまむようにして外します。
無理に引っ張らず、少し指を滑り込ませるとスッと取れます。
分解できる構造のものが多いので、飲み口・ロックボタン・ストローまで外せる場合は全部外すと洗い残しが少なくなります。
カビが軽い場合は、先ほどのお酢(10倍希釈)に30〜60分浸け置きすれば落ちることがほとんどです。
しぶとい黒カビは柔らかめの歯ブラシで、パッキンの内側・段差になっている部分をなでるように洗います。
ゴシゴシこすると傷がつき、そこが今後のカビの温床になるので優しく。
洗った後は、水分が完全に抜けるまでしっかり乾かすことが一番の再発防止です。
ふき取るだけでは水分が残るため、キッチンペーパーの上で半日ほど置いておくと安心です。
しつこい黒カビには酸素系漂白剤が最短ルート
お酢で落ちないカビは、すでに根が深い状態です。
そんな時の頼れる方法が、酸素系漂白剤(※ワイドハイター・オキシクリーン等)での浸け置き。
強すぎず水筒ステンレスにも使えるので、安全性と洗浄力のバランスが良い方法です。
まず40〜50℃のぬるま湯を500mlボウルに準備します。
その中に酸素系漂白剤を小さじ1杯強入れてよく混ぜます。
粉が溶けて透明感が出てきたら浸け置きスタートの合図です。
本体は漂白液を中に注ぎ、パッキンやフタは液に沈めて30分〜1時間浸け置き。
色が濃くカビが根を張っている場合はもう少し長めでもOKですが、最大でも2時間以内を目安にしましょう。
これは劣化や変色を防ぐためです。
浸け置き後はぬるま湯ですすぎ、指で触ってざらつきがなければカビはほぼ除去完了。
パーツの溝にはブラシを使い、こすり落とすというより「汚れをすくい取る」イメージで優しく。
最後にしっかり乾燥させることが再発防止のカギです。
パッキンは買い替えが出来る!
そして大切なポイントがひとつ。
パッキンは消耗品なので、黒ずみが取れないなら買い替えが最短ルートです。
メーカーや型番で検索すると、パッキンだけ単品で300〜800円ほどで購入可能。
無理に擦り続けるより、安全・清潔にリセットできます。
サーモスだとこういう感じで売っています。
通販でも買えますし、大きなホームセンターなどでも購入が可能です。
パッキン交換を利用すれば、お気に入りの水筒を長く使えますよ!
「落とす」だけでなく「買う」という選択肢も持っておくと気持ちがラクになりますね。
カビを落としたあとは、再発防止の習慣が長持ちのカギ
水筒のカビは落とせますが、油断するとすぐ戻ってきます。
大切なのは「きれいにした後の扱い方」です。
水筒は使用後すぐ洗う、これは絶対。
飲み残しがあるまま置いておくと、糖分やたんぱく質がカビの栄養になります。
さらに乾かしが甘いと、湿度が残り、カビが育つ最高の環境に。
洗ったらすぐ水を切り、フタもパッキンも別々にして乾燥させること。
逆さ乾燥+風通しの良い場所で半日置くと、内部までカラッと乾きます。
特にパッキンは湿気を抱え込みやすいので、収納前に触って弾力と乾き具合を確認。
週1回の分解洗浄、月1回の漂白浸け置きが理想です。
カビ取りは一度覚えれば難しくありません。
「落とす」より「増やさない」ほうがずっと簡単です。
水筒のカビを放置するとどうなる?
カビを落とさずに使い続けると、大きく2つの問題が起こります。
ひとつは味や匂いが変わること、もうひとつは体へのリスクが高まることです。
水筒にカビが残った状態で飲み物を入れると、わずかでもカビ由来の臭いが残り、口に含んだときの風味に影響します。
麦茶が酸っぱく感じる、金属臭のようなクセがあると感じたときは要注意。
そのほとんどがカビの繁殖による劣化です。
さらに怖いのは、カビの胞子が飲み物に触れ続けることで、知らないうちに体内に取り込んでしまうこと。
健康であれば胃酸で死滅することが多いと言われていますが、免疫が弱い人や子どもは影響を受けやすく、咳・鼻炎・皮膚トラブルやアレルギー反応につながることもあります。
カビの繁殖を放置するほどリスクは高まるため、見つけた時点で対処するのが最善です。
「まだ少しだけだから…」と様子を見ると、次に開けた時には広がっていた、というケースは珍しくありません。
水筒のカビは静かに進むため、早めの発見と除菌が大切です。
なぜ水筒にカビが生えるのか?原因を知っておく
水筒のカビは、決まった条件がそろうと一気に増えます。
増殖の引き金になるのは主に湿度・雑菌・栄養(汚れや糖分)の3つです。
直飲みタイプは特に菌が入りやすく、飲み物と一緒に口の中の雑菌も内部へ運ばれます。
さらに、甘い飲料・乳飲料・スポーツドリンクなどは糖分が多く、カビのエサになり繁殖を早めます。
もうひとつ見逃せないのが「湿気」です。
水筒は密閉構造のため、一度湿気が残ると逃げ場がありません。
内部がしっとりしたまま時間が経つと、カビは驚くほど早く根を伸ばしてしまいます。
原因を知っていれば対処はシンプルです。
水筒は汚れ・菌・湿度が揃うと増える──ただそれだけ。
落とす方法を覚えたうえで、この仕組みだけ理解しておけば安心です。
まとめ|カビの発生原因を知り、再発防止で水筒を長持ちさせよう

まとめると、
- 水筒のカビはお酢・酸素系漂白剤で落とせる
- 分解洗浄が基本。フタ・飲み口・パッキンは全て外す
- お酢はぬるま湯10:1で浸け置き(30〜60分)
- しつこい黒カビには酸素系漂白剤が効果的
- 漂白剤は40〜50℃・500mlに小さじ1強で作る
- 溝は歯ブラシで優しく。強くこすると傷の元に
- カビが落ちなければパッキンだけ購入して交換可能
- 内部の湿気・糖分・雑菌がカビ発生の原因になる
水筒はカビが生えても諦める必要はありません。
正しい手順を知っていれば、お酢や漂白剤で十分に除菌できますし、傷みが目立つ場合でもパッキンを交換すればまた快適に使えます。
汚れや湿気をそのままにしないことが大切で、ちょっとした気づきと扱い方で寿命は大きく変わります。
お気に入りのボトルだからこそ、無理に買い替える前に一度丁寧にケアしてみましょう。
【参考】
⇒サーモスの水筒をきれいに洗う!ニオイと汚れを防ぐ基本ケア術完全版



