ビジネスシーンでは、資料や契約書などをA3サイズの封筒で送る機会があります。
特に取引先や顧客に送る場合は、適切な郵送方法を理解し、正しいマナーを守ることが大切です。
封筒のサイズや重さに応じた切手代を把握し正しく貼ることで、相手に失礼のない形で郵送できます。
本記事では、A3封筒の切手代や貼る位置を中心に、ビジネスマナーに沿った送り方を解説します。
A3封筒の切手代はいくら?計算方法とポイント
A3封筒の郵送には、封筒のサイズや重さに応じた適切な切手を貼ることが重要です。
料金が不足すると相手に迷惑をかけてしまうため、事前に確認しておきましょう。
郵便料金の基本ルール
日本郵便では、封筒の郵送は「定形外郵便(規格内・規格外)」に分類され、料金はサイズ(長辺34cm・厚さ3cm・重さ1kgの基準)と重量によって決まります。
A3封筒は一般的に「定形外郵便(規格外)」に分類されます。
- 定形郵便:長辺23.5cm×短辺12cm×厚さ1cm以内、50g以内(A3封筒は対象外)
- 定形外郵便(規格内):長辺34cm×短辺25cm×厚さ3cm以内、1kg以内
- 定形外郵便(規格外):上記を超えるサイズ、または1kg超(A3封筒は通常こちら)
A3封筒の切手代(定形外郵便・規格外)
重量(g) | 料金(円) |
---|---|
50g以内 | 200円 |
100g以内 | 220円 |
150g以内 | 300円 |
250g以内 | 350円 |
500g以内 | 510円 |
1kg以内 | 710円 |
▶ A3封筒の一般的な送料目安
- 薄手のA3書類(数枚) → 200~220円
- 少し厚みのある資料(20~30枚) → 300円
- 契約書・冊子など(50~100枚) → 350円~510円
速達や書留を利用する場合の追加料金
A3封筒を早く確実に届ける場合は、速達や書留を利用する方法があります。
- 速達(速く届けたい)
・通常の郵便料金に+260円(1kg以内)
例:A3封筒(100g)を速達で送る場合 → 220円 + 260円 = 480円 - 簡易書留(追跡・補償付きで送る)
通常の郵便料金に+350円
例:A3封筒(100g)を簡易書留で送る場合 → 220円 + 350円 = 570円 - レターパックプラス(全国一律520円)
対面で確実に届ける場合に便利
A3封筒に入れるのが難しい場合は、レターパックを選ぶのも良い
郵送前に確認すべきポイント
- 封筒の重量を測る
書類の枚数によって重量が変わるため、キッチンスケールなどで測るのがおすすめです。 - 郵便局で確認する
重さに不安がある場合、郵便局の窓口で料金を確認してもらうと確実です。 - 料金不足にならないようにする
料金不足の場合、相手が不足分を負担する「不足料金請求」となり、失礼にあたるため注意しましょう。 - 料金が高くなる場合は別の発送方法も検討する
レターパックや宅配便を利用することで、確実に送れる場合もあります。
A3封筒を郵送する際は、封筒の重さを測り、適切な切手を貼ることが大切です。
速達や書留を利用することで、より確実に届けることもできます。
A3封筒をビジネスで送る際の基本マナー
ビジネスでA3サイズの封筒を送る際は、相手に失礼のないよう、適切な封筒の選び方や宛名の書き方、封の仕方を意識することが大切です。
特に、取引先に送る場合や重要な書類を送る場合は、細かいマナーにも注意しましょう。
封筒の選び方
A3サイズの書類を折らずに送る場合、以下の封筒を使用するのが一般的です。
- 角形2号(240mm×332mm):A4サイズの書類を折らずに入れられる大きさ。A3を二つ折りにして送る場合にも適しています。
- 角形0号(287mm×382mm):A3サイズの書類を折らずにそのまま入れられるサイズ。資料を綺麗な状態で送りたいときに最適です。
ビジネスシーンでは、封筒の色にも配慮するとよいでしょう。
- 白色の封筒:フォーマルな印象を与え、重要書類の送付にも適しています。
- クラフト封筒(茶封筒):ビジネス用途でもよく使われますが、白色よりもカジュアルな印象になるため、送る相手や用途に応じて使い分けましょう。
また、透け防止のための二重構造や、書類を折り曲げにくくする厚手の封筒を選ぶと、より丁寧な印象になります。
封の仕方
書類を封筒に入れた後、しっかり封をすることが重要です。
封の仕方によっては相手に雑な印象を与えたり、輸送中に書類が飛び出したりする可能性があるため以下の点に注意しましょう。
- のりや両面テープでしっかり封をする:封筒のフタ部分をしっかり接着し、中身がこぼれないようにします。
糊付けが甘いと、郵送途中で封が開くことがあるため注意が必要です。 - 「〆」マークを記入する:封筒のフタの継ぎ目に「〆」や「封」などの印を記入すると、封が開けられていないことを示せるため、改ざん防止の意味でも有効です。
- シール付き封筒の場合:シール付きの封筒を使用する場合でも、しっかり押さえて貼り付けることが重要です。
長期の郵送で剥がれないよう、上からテープを貼るのも良い方法です。
宛名の書き方
宛名の書き方には縦書きと横書きの2種類があります。
- 縦書き:フォーマルな印象を与えるため、取引先への送付などではこちらが推奨されます。
- 横書き:ビジネスシーンでも使われますが、特に英語の社名や横書きの資料を送る際に適しています。
宛名の基本ルール
- 宛名(会社名・部署名・担当者名)を正式名称で記入する
例:「株式会社○○」「○○商事株式会社」
「(株)」のような省略形は避けるのがマナーです。
- 担当者名がわかる場合は「○○様」、会社宛の場合は「御中」
例:「○○株式会社 営業部 田中様」
例:「○○株式会社 総務部御中」
「御中」と「様」は併用しない(×「○○株式会社御中 田中様」)。
- 郵便番号・住所も正しく記入する
例:「〒100-0001 東京都千代田区○○1-2-3 ○○ビル5階」
左下に「親展」や「重要」と記載する(必要に応じて)
重要な契約書類などを送る場合、「親展(受取人本人が開封する)」と記載すると、確実に本人に届きます。
このように、封筒の選び方や宛名の書き方には細かなルールがあります。
特にビジネスシーンでは、こうしたマナーを守ることで、相手に対して丁寧な印象を与えることができます。
A3封筒に切手を貼る正しい位置とは?
A3封筒に切手を貼る際は、決められたルールに従い適切な位置に貼ることが重要です。
切手の位置が不適切だと郵便物がスムーズに処理されず、最悪の場合は返送されてしまうこともあります。
ビジネスマナーとしても、きちんとした貼り方を意識しましょう。
基本的な切手の貼り位置
封筒のサイズに関係なく、日本郵便では 「封筒の表面・左上」に切手を貼る のが基本ルールです。
A3封筒(角形0号・角形2号)の場合、以下の点に注意しましょう。
- 封筒の「表面(宛名がある側)」の左上に貼る
右側に貼ると郵便局の機械で処理できず、返送される可能性があります。 - 複数の切手を貼る場合は、横一列または縦一列に揃える
切手をバラバラに貼ると、見栄えが悪くなるだけでなく、郵便局員が確認しづらくなります。 - 封筒の端から5mm程度の余白を空けて貼る
端に貼りすぎると、輸送中に剥がれる恐れがあります。
料金が高く、複数の切手を貼る場合のコツ
A3封筒は重量によって送料が変わり、高額な切手を貼ることが多くなります。
料金分の切手が1枚で用意できない場合は、以下の方法で貼りましょう。
✅ 横並びに貼る場合
→ できるだけ同じサイズの切手を横一列に整列させると見た目が綺麗になります。
✅ 縦並びに貼る場合
→ 封筒の左上端に沿って、縦に揃えて貼るとスマートに見えます。
✅ なるべく高額切手を選ぶ
→ 何枚も切手を貼るよりも、「500円」「100円」などの高額切手を使用すると、貼る手間が省けて見た目も整います。
貼る前に確認すべきポイント
✔ 切手がしっかり貼られているかチェック
- 端が浮いていると、配送中に剥がれる可能性があるため、指で押さえてしっかり密着させましょう。
✔ 郵便局で確認するのもおすすめ
- 料金が不安な場合や、貼り方に自信がない場合は、郵便局の窓口で相談すると安心です。
A3封筒の切手は、表面の左上にバランスよく整えて貼ることが基本です。
正しく貼ることでスムーズな配送ができ、ビジネスマナーとしても相手に良い印象を与えます。
A3封筒を送る際の注意点(折らずに送るコツなど)
A3封筒は大きいため配送中に折れたり、破損したりする可能性があります。
特に契約書や重要な資料を送る場合は、書類の状態を保つ工夫が必要です。
ここでは、折らずに綺麗な状態で届けるためのポイントを紹介します。
① 封筒の強度を上げる工夫
A3サイズの封筒は大きく、柔らかいものも多いため、配送中に折れやすくなります。
以下の方法で強度を上げると、安全に送ることができます。
- 厚手の封筒を選ぶ
クラフト紙(厚め)や二重構造の封筒を使うと、折れや破損を防げます。 - 厚紙やボール紙を同封する
書類の下に ダンボール紙や厚紙を敷くことで、封筒全体が曲がりにくくなります。 - 「折り曲げ厳禁」と明記する
封筒の表面に赤字で「折り曲げ厳禁」と記載すると、配送時に注意して扱ってもらえます。
② 書類をしっかり固定する
配送中に書類が動いてしまうと、折れやシワの原因になります。
以下の対策をすると、より安心です。
- クリアファイルに入れる
A3対応のクリアファイルに入れておくと、書類を綺麗な状態で保てます。 - 封筒の中で動かないように固定する
のり付きクリアポケットや薄手のダンボール封筒を使うと、書類がズレずに安定します。
③ 適切な発送方法を選ぶ
A3封筒は大きく、通常の郵便では折れやすいため、発送方法にも注意が必要です。
発送方法 | 特徴 | 料金(目安) |
---|---|---|
定形外郵便(規格外) | 一般的な発送方法。ポスト投函も可 | 200円~710円 |
速達郵便 | 速く届けたい場合に便利 | 追加260円~ |
レターパックプラス | 追跡可能&対面で渡せる | 全国一律520円 |
ゆうパック | 厚紙封筒や箱に入れたい場合 | 重量・地域で変動 |
特に、契約書や重要書類を送る場合は、追跡や補償がある「レターパックプラス」や「簡易書留」を利用すると安心です。
④ 配達トラブルを防ぐポイント
✔ 宛名や郵便番号を正しく書く
→ 宛先不明で返送されることを防ぐため、住所や郵便番号は間違いのないように記載しましょう。
✔ 切手の料金を再確認する
→ 料金不足だと相手側に不足分を負担させることになるため、発送前に郵便局で確認すると安心です。
✔ 天候による影響も考慮する
→ 雨の日の配達では封筒が濡れる可能性があるため、防水対策(OPP袋で包むなど)をしておくと良いでしょう。
A3封筒を綺麗な状態で送るには、封筒の強度を上げる工夫や適切な発送方法の選択が重要です。
大切な書類を確実に届けるために、これらのポイントを押さえておきましょう。
まとめ:ビジネスマナーを守ったA3封筒の送り方
A3封筒をビジネスシーンで郵送する際は、適切なマナーを守ることが大切です。
特に、取引先や顧客に送る場合は、細かい部分まで気を配ることで、より丁寧な印象を与えられます。
本記事で解説したポイントを改めて整理すると、以下のようになります。
✅ 封筒の選び方
- 角形2号(A3を二つ折り)、角形0号(A3を折らずに送れる)を使用
- 白封筒はフォーマルな印象、クラフト封筒はカジュアルな印象
✅ 宛名の書き方
- 宛名は正式名称で記入(「(株)」などの省略は避ける)
- 担当者がわかる場合は「○○様」、会社宛なら「○○御中」
- 重要書類の場合、「親展」「折り曲げ厳禁」などを記載
✅ 切手の料金と貼り方
- 重さによって200円~710円の切手が必要
- 表面の左上に、バランスよく並べて貼る
- 料金不足を防ぐため、発送前に確認する
✅ 書類を折らずに綺麗に送る工夫
- 厚紙やクリアファイルを使い、強度を上げる
- 「折り曲げ厳禁」と記載して、注意喚起する
- レターパックや書留を活用し、安全に届ける
A3封筒の郵送は、ただ書類を入れて送るだけでなく、正しいマナーを守ることが大切です。
特にビジネスの場面では、こうした細かい気配りが相手の印象を左右することもあります。
大切な書類を確実に届けるために、本記事のポイントを活用し、適切な送り方を実践してみてください。