和菓子作りの途中で「餅粉が切れていた」「近くの店に売っていない」ということはよくあります。
そんなときも焦らなくて大丈夫。
餅粉は、白玉粉・上新粉・米粉など身近な材料でしっかり代用できます。
本記事では、餅粉の特徴を踏まえながら、白玉粉・上新粉・米粉で上手に代用するコツを詳しく解説します。
代用できる粉ごとの特徴や使い方の違い、失敗しないためのポイントまで丁寧に紹介します。
白玉粉で代用|一番近い食感が出せる万能粉
餅粉がないとき、最もおすすめなのが白玉粉です。
どちらも原料は「もち米」ですが、白玉粉はもち米を水に浸してすりつぶし、沈殿した部分を乾燥させた粉です。
製法の違いから、ややつるんとしたなめらかな食感が出るのが特徴です。
大福や求肥を作るときは、この白玉粉でほとんど同じ仕上がりを得られます。
ただし、餅粉よりも水分の吸収がやや遅いので、次のように調整するときれいにまとまります。
- 水は少しずつ加えて、耳たぶほどの柔らかさにする
- 砂糖をやや多めに入れると、やわらかくのびのある食感になる
- 加熱は電子レンジを使い、透明感が出るまで練り返す
白玉粉で作る大福は、冷めても硬くなりにくく、つるんとした口当たりが魅力です。
「なめらか・もちもち・扱いやすい」の三拍子がそろった、最も安心できる代用粉です。
上新粉で代用|さっぱり歯切れの良い仕上がりに
上新粉は、普段ご飯として食べるうるち米から作られた粉です。
餅粉や白玉粉よりも弾力が控えめで、歯切れの良い食感になるのが特徴です。
団子や柏餅、ういろうなど、しっかりした噛み応えのある和菓子に多く使われます。
餅粉の代用として使うときは、次のように調整するとよいでしょう。
- 粉100gに対して水110〜120mlを目安に、少し多めの水分を加える
- 砂糖を加えるとしっとり感が増して食べやすい
- 弾力を出したい場合は、白玉粉を1〜2割ほどブレンドする
求肥のような強いのびは出ませんが、もちっと感と歯切れの良さの両立が可能です。
特に団子系のスイーツや、軽めの和菓子を作るときにおすすめです。
米粉(製菓用)で代用|家にある粉で手軽に再現
近年はスーパーでも手に入りやすい「米粉」も、餅粉の代用に使えます。
ただし一般的な米粉はうるち米由来のため、もち米のような伸びや粘りは弱めです。
そこで、砂糖やでんぷんを加えて調整します。
たとえば、米粉100gに対して水110〜130ml・砂糖100gを混ぜると、柔らかくまとまります。
さらに片栗粉を小さじ1加えると、弾力と透明感がアップ。
しっかり練ることで、餅粉に近いもっちり感が再現できます。
加熱後はすぐにラップで包み、乾燥を防ぐのがポイント。
時間が経つと固くなりやすいので、その日のうちに食べ切るのがおすすめです。
ここで改めて:餅粉とはどんな粉?
餅粉は、精米したもち米を乾燥・製粉して作る粉で、和菓子の中でも最もなめらかな食感を生み出す材料です。
水を加えて加熱すると、強い粘りと伸びが出るのが特徴。
「求肥」「大福」「羽二重餅」など、しっとり伸びるお餅の質感はこの粉のおかげです。
もち米由来の餅粉は、冷めても硬くなりにくく、口どけがなめらか。
小麦粉や上新粉では出せない、特有の“のび”と“透明感”を持っています。
この特性を理解しておくと、代用粉を使うときにも「どこを補えば餅粉らしくなるか」が見えてきます。
代用粉の特徴まとめ
粉の種類 | 原料 | 特徴 | 向いているお菓子 |
---|---|---|---|
白玉粉 | もち米 | なめらか・つるん・柔らかい | 大福、求肥、団子 |
上新粉 | うるち米 | 歯切れが良い・軽い食感 | 柏餅、ういろう |
米粉 | うるち米(製菓用) | なめらか・のび控えめ | 蒸し菓子、米粉スイーツ |
餅粉を代用するときの3つのコツ
- 水分は少しずつ加える
粉によって吸水率が異なるため、少しずつ調整するとまとまりやすくなります。 - 砂糖を加えて柔らかさをキープ
砂糖は保湿の役割も果たすため、冷めても硬くなりにくくなります。 - 加熱と練りを数回繰り返す
電子レンジを使う場合は、30秒ごとに混ぜるのがコツ。透明感が出たらOKです。
この3つを守れば、餅粉がなくても食感に大きな差は出ません。
まとめ|餅粉がなくても大丈夫。身近な粉でおいしく再現!
餅粉の代わりに使える粉は意外と多く、白玉粉・上新粉・米粉の3つがあれば、和菓子作りは十分楽しめます。
- 餅粉に最も近いのは「白玉粉」
- 歯切れの良さを出したいなら「上新粉」
- 手軽に試すなら「製菓用の米粉」
それぞれの特性を知って工夫すれば、餅粉がなくても安心。
今日の和菓子作り、ぜひ代用粉で試してみてくださいね。
【参考】