東京駅の構内には、かつて体調を崩した旅行者や透析患者の一時的な休憩・救護のために設けられた「旅行者援護(えんご)センター」という施設が存在していました。
運営していたのは公益財団法人・鉄道弘済会で、看護師による応急処置や休養ベッドの提供など、旅行中の体調トラブルに対応する公共性の高い取り組みとして知られていました。
このセンターは2012年に一度閉鎖されたとされていますが、SNSやGoogleマップではその後も「存在しているのでは?」という情報が見受けられます。
本記事では、東京駅旅行者援護センターの実態と現在の利用方法、そして周辺で利用できる案内所や休憩・医療施設についてまとめます。
東京駅旅行者援護センターとは?
旅行者援護センターは、東京駅を利用する人が体調不良や疲労などの理由で一時的に休める場所として提供されていた施設です。
運営元はJR東日本ではなく、公益財団法人・鉄道弘済会です。
【主な支援内容(かつての運営時)】
- カーテンで仕切られた簡易ベッドの提供(無料)
- 看護師による応急手当
- 透析患者向けの配慮(S字フックや加温器などの設備提供)
- 排液処理に配慮したトイレの案内
- 救急車手配の補助
- JRのサービス介助士との連携対応
施設は、東京駅丸の内北口の地下1階に設けられており、利用者は駅係員に申し出ることで案内を受けられる仕組みでした。
一度は閉鎖された「公式情報」
鉄道弘済会は、2012年3月をもって東京駅での援護センター業務を終了。
その後、同年12月には京都駅の同様の施設「旅行者援護所」も閉鎖され、旅行者援護事業自体から撤退しました。
この閉鎖以降、JR東日本や鉄道弘済会の公式情報からは旅行者援護センターの記載が消え、多くのメディアや情報サイトでは「すでに存在しない施設」として紹介されるようになりました。
SNS・地図上での“現存”情報と確認結果
ところが、2023年8月にX(旧Twitter)で投稿された画像には、「旅行者援護センター」の案内看板がはっきりと写されており、「今でも存在しているのでは?」と注目を集めました。
旅行者援護センターって今この2023年になっても東京駅にはあるんだ……! pic.twitter.com/d7rzZu6JoW
— mipsparc✨ (@mipsparc) August 12, 2023
実際に寄せられたコメントでも「びっくりしました」との反応があり、予想外の存在感に驚いた人がいたことがうかがえます。
投稿者自身も施設の中に入ったわけではなく、「看板が残っている」だけの可能性も指摘されていました。
このように、センターの運営実態と表示上の存在にギャップが生じていることが分かります。
また、Googleマップでも「旅行者援護センター」が東京駅構内の施設として表示され、「営業中」の表記が確認できます。
さらに関係先への電話確認により、現在もこの名称の施設は存在しており、実際に利用可能な休憩スペースであることが判明しました。
現在の旅行者援護センターの概要(2025年時点)
- 住所:東京都千代田区丸の内1丁目9−9番1号 東京駅丸の内北口地下1階
- 電話:03-3287-1400
- 営業時間:8:00~20:00
▷ 運営体制と利用内容
- 運営者:鉄道弘済会ではない(運営主体は明示されていない)
- 利用方法:駅員に申し出ることで案内される
- 機能:体調不良者が一時的に休憩できるスペースを提供
- 医療対応:看護師の常駐や医療処置は行っていない
つまり、過去のような専門性を備えた救護施設ではありませんが、旅行中に体調を崩した人が一時的に体を休めるための“静かな待機場所”としては現在も活用できる状況にあります。
東京駅で困ったときに頼れるサポート窓口
旅行中に体調不良や困りごとがあった場合は、以下のような窓口や施設を活用するのが現実的です。
① 駅員への相談(最も確実)
JR東日本の各駅では、「お困りの際は駅係員へご相談ください」と案内されており、東京駅では多数の係員が常駐しています。
困ったときは、遠慮せず近くの駅員に声をかけましょう。
② JR EAST Travel Service Center(東京駅)
丸の内北口改札外にある訪日旅行者向けの案内施設。
以下のようなサービスを提供しています。
- 交通・観光案内(英語・中国語など多言語対応)
- パス・きっぷの受取・購入
- 手荷物一時預かり
- 外貨両替サービス
- 祈祷室の利用(10:00~17:00)
医療的な対応は行っていませんが、案内窓口としては非常に頼れる存在です。
③ 東京駅周辺の医療機関(徒歩圏内~近隣)
東京駅周辺には、内科やクリニックなどの医療機関が多数あります。
下記に主な3施設をまとめました。
▷ 東京ビジネスクリニック 八重洲北口(総合内科・小児科・皮膚科など)
- 住所:東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街 北1号
⇒Googleマップで見る - 電話番号:03-6268-0079
- 診療時間:平日 9:00~21:00
- 対応診療科:総合内科、小児科、皮膚科、アレルギー科など
- 特徴:夜間・休日診療あり、訪日旅行者にも対応可能
▷ Tokyo Station International Clinic(総合内科・小児科・皮膚科・外科)
- 住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 グランルーフ1F
⇒Googleマップで見る - 電話番号:03-6206-3070
- 診療時間:年中無休 9:00~21:00(最終受付 20:30)
- 対応診療科:内科、外科、小児科、皮膚科
- 特徴:東京駅八重洲南口から徒歩1分。英語・中国語対応可能で、訪日旅行者にも配慮した利便性の高いクリニックです。
▷ 三井記念病院(総合病院)
※2駅分とやや距離があるので注意
- 住所:東京都千代田区神田和泉町1
⇒Googleマップで見る - 電話番号:03-3862-9111
- 診療時間:平日 8:30~11:00(初診受付)
- 休診日:土日祝
- 対応診療科:内科・外科・整形外科・眼科・産婦人科など多科目
- 特徴:総合的な検査・治療が可能な大規模医療機関(紹介状推奨)
まとめ:東京駅旅行者援護センターは形を変えて実在する
かつて閉鎖されたとされる「東京駅旅行者援護センター」は、現在も構内に名称を残した形で存続しており、体調が優れない旅行者が一時的に休憩できる場所として利用可能であることが確認されました。
ただし、医療行為は提供されていないため、深刻な体調不良や治療が必要な場合は、速やかに駅員に申し出て周辺の医療機関を利用することが推奨されます。
旅行や出張で東京駅を利用する際には、このような施設やサービスをあらかじめ知っておくことで、もしものときに落ち着いて対応できるでしょう。
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