古米を美味しく炊くには、「浸水時間を長めに取り、酒や油を加える」のが効果的です。
古古古米のような年数を経たお米でも、ちょっとした工夫で驚くほど美味しく仕上がります。
政府備蓄米や家庭内でストックされていた古米は、どうしても独特の臭いやパサつきが気になるもの。
この記事では、炊き方のコツを中心に、新米とのブレンド割合や他の家庭で実践されているアイデアも紹介します。
失敗しないポイントを押さえて、古米をおいしく食卓に取り入れましょう。
古米の美味しい炊き方
古米は時間の経過により水分が抜け、風味や食感が落ちてしまいますが、以下のような工夫をすればふっくらおいしく炊き上がります。
ポイントは「水分補給」「臭み対策」「うま味の追加」です。
1. 浸水時間は1.5〜2倍に延ばす
古米は水分を吸いにくくなっているため、炊く前にじっくり水を吸わせることが大切です。
目安は60分〜90分程度。
冬場は常温で、夏場は冷蔵庫で浸水させると雑菌の繁殖も抑えられて安心です。
炊飯直前にざるにあげて10分程度置くと、余分な水分が切れてベチャつきも防げます。
2. 酒やみりんを少量加える
炊飯時に料理酒やみりんを小さじ1ほど加える(古古古米だと1合あたり大さじ1)と、臭みが和らぎ、ほんのり甘みが増して食べやすくなります。
酒には脱臭効果があり、みりんはお米のうま味を引き立ててくれる優れもの。
香りを付けたいときは、ほんの少しだけ生姜のすりおろしを加えるのもおすすめです。
3. 少量のサラダ油でツヤ出し&臭み対策
驚かれるかもしれませんが、サラダ油を小さじ1程度加えるとお米にツヤが出て臭みも緩和されます。
ごま油やオリーブオイルだと香りが強すぎることがあるので、クセの少ない油を選ぶと自然な仕上がりに。
油は保湿効果もあるため、冷めてもおいしく食べられます。
4. 米を研ぐときに「最後のすすぎ」を丁寧に
古米は表面の酸化が進んでいるため、しっかり研ぐことが味を左右します。
特に最後のすすぎを透明になるまで丁寧に行うことで、臭みの元を減らせます。
最初の水はすぐ捨て、2〜3回目以降はやさしくかき混ぜながら洗米しましょう。
お米を傷つけないよう、指の腹で研ぐのがコツです。
5. 昆布を一緒に炊き込む
古米のにおいを消すのに有効なのが昆布を5cmほど一緒に炊飯器に入れる方法です。
昆布のうま味成分「グルタミン酸」が加わることで味がまろやかになり、和食との相性も抜群です。
炊き上がった後に昆布を取り出して刻み、混ぜ込んでも美味しくいただけます。
6. 少量の塩を加えて味を引き締める
ごく少量の塩(ひとつまみ)を加えることで、全体の味が引き締まり、古米のクセを感じにくくなります。
塩の代わりに白だしを数滴垂らしてもOK。
旨みを足しながら臭いもカバーできます。
このように、少しの工夫を加えるだけで古米でもふっくらツヤのある美味しいごはんに仕上がります。
炊飯前の準備と一工夫が、美味しさを大きく左右します。次は「新米とブレンドする場合の割合」について解説していきますね。
新米とブレンドする場合の割合
古米の風味や食感が気になる場合は、新米とブレンドして炊くのがとても効果的です。
古米特有のにおいを抑えながら、新米の甘みやふっくらとした食感を取り入れることができるため、味に敏感な方や家族の好みにも合わせやすくなります。
おすすめのブレンド割合
初心者さんにおすすめなのは、新米2:古米1の割合(新米が多め)です。
この配合なら、新米の香りや柔らかさがしっかりとごはん全体に広がり、古米のクセを上手にカバーできます。
香り高く、もちもちとした仕上がりになり、子どもから高齢の方まで食べやすい味わいに。
慣れてきたら、新米1:古米1の同量ブレンドもおすすめです。
コストを抑えつつも、ある程度新米の風味を残せるので、日常使いにぴったりです。
- 新米2:古米1 … においや食感が気になる方、子どもと一緒に食べたいご家庭向け
- 新米1:古米1 … 味のバランスが良く、食費を抑えたいときにも最適
- 新米1:古米2 … 古米を無駄なく使い切りたいときに。ただし、やや臭みが出る場合があるので、酒や昆布を加えるなどの工夫が必要
ブレンド時の注意点
- 浸水時間は古米に合わせて長めに設定
→ 新米は短時間で吸水しますが、古米は吸水に時間がかかります。
ブレンドしても古米基準で60分〜90分以上の浸水が基本です。
炊飯前に水切りをしてから炊くことでベチャつきを防げます。 - 味付けは最小限にして新米の風味を楽しむ
→ 新米の持つ自然な甘みや香りを活かすため、調味料の使用は控えめにしましょう。
もし調整する場合は、炊き上がり後に加える形がおすすめです。 - 炊飯器のモードを活用
→ 炊飯器に「炊き分けモード」や「古米用モード」がある場合はそちらを選択しましょう。
最適な水加減や加熱時間で炊き上げてくれます。
このように、新米とのブレンドは古米を美味しく食べるための非常に有効な方法です。
味の好みや使用シーンに応じて、最適な割合と工夫を見つけてくださいね。
古米をリメイクして美味しく食べる
古米の風味やにおいが気になる場合、そのまま食べるよりも「アレンジ料理」に使うことで、美味しさが格段にアップします。
調味料や具材、調理法を工夫することで、古米ならではのクセを抑えながら新しい魅力を引き出せます。
チャーハンや炊き込みご飯に
古米はやや水分が少なくパサつきがちですが、それが逆に炒め物に適しています。
チャーハンにすれば、油や香味野菜の香りと絡まり、ほどよい歯ごたえで美味しさが際立ちます。
炊き込みご飯なら、出汁の旨味や野菜・肉の風味がごはんに染み込み、全体のバランスがとれて風味がまろやかに。
ごぼうやにんじん、鶏肉などとの相性も抜群です。
雑炊やスープごはんに
水分を多めに使って作る雑炊やスープごはんは、古米のパサつきをカバーできる調理法。
味噌や中華スープ、コンソメなど味付けのバリエーションも豊富で、朝食や夜食、体調がすぐれないときにもぴったり。
生姜やねぎなどの薬味を添えると、においも和らぎ一層食べやすくなります。
ごはんパンや米粉スイーツに
余った古米は、意外にもパンやお菓子づくりにリメイクできます。
柔らかく炊いた古米を潰してパン生地に混ぜ込めば、もっちりとした食感が楽しめるごはんパンに。
乾燥させてからフードプロセッサーで細かく砕けば、米粉としてクッキーやホットケーキにも応用可能。
砂糖やはちみつを加えることで、古米特有のクセも気にならなくなります。
このように、古米をリメイクすることで料理の幅が広がり、飽きずに美味しく消費することができます。家庭に余っている古米も、アイデア次第で主役級の一品に変身しますよ。
古米保存時の注意点とおいしさを保つ工夫
古米を美味しく食べるためには、炊き方だけでなく、日々の保存状態も非常に重要です。
お米は時間が経つと劣化が進み、風味や香りに影響を及ぼすため、保存方法を少し工夫するだけでも、美味しさをしっかりキープできます。
湿気と高温を避ける保存場所
古米を保存する際は、直射日光が当たらず、温度や湿度の変化が少ない場所を選ぶことが基本です。
特に高温多湿の環境では酸化や虫の発生のリスクが高まります。
風通しが良い冷暗所や、温度が安定している冷蔵庫の野菜室は最適です。
特に夏場は冷蔵保存をおすすめします。
精米日を確認して使い分ける
購入する際は袋に記載されている「精米日」に注目し、なるべく新しいものを選びましょう。
すでに家庭にある古古米や古古古米は、なるべく早めに使い切るようにし、精米日が新しいお米とローテーションして管理することで、在庫の劣化を防ぐことができます。
密閉容器と脱酸素剤を活用
お米の保存には、湿気や酸化を防げる密閉容器が最適です。
プラスチック製やガラス製の保存容器、あるいはチャック付きの保存袋などが便利です。
さらに、脱酸素剤や乾燥剤を一緒に入れておくことで、酸化によるにおいや味の変化を抑えることができ、より長期間風味を保てます。
脱酸素剤はアイリスオーヤマの備蓄米にも入っていました。
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容器の開閉時にはなるべく空気が入らないよう気をつけ、定期的に中身の状態をチェックしましょう。
このように、古米は保存のひと工夫によって、炊き上がりの味わいが格段に変わります。
正しい方法を知って、最後までおいしくいただきましょう。
まとめ|古米は工夫して美味しく食べましょう!
古米は少し手を加えるだけで、ぐっと美味しく炊き上げたり、アレンジ料理で楽しんだりできる万能な食材です。
独特の風味やにおいが気になることもありますが、工夫次第でそのデメリットを感じさせず、普段のごはんをさらに充実させることができます。
- 洗米や浸水を丁寧に行い、余分なにおいや汚れを取り除く
- 新米とのブレンドで味のバランスや食感を調整する
- 出汁や具材、香味野菜を活用してアレンジすることで風味を引き立てる
- 保存方法にもひと工夫加え、劣化を防いで長く美味しく保つ
- リメイク料理でチャーハン、炊き込みご飯、スープ、スイーツまで幅広く活用できる
こうした工夫を取り入れることで、古米も日々の食卓で無駄なく美味しく活かすことが可能です。
ぜひ今日からのごはん作りに取り入れて、家族の笑顔を引き出す一品に変えてみてくださいね。