突然、家中の電気が消えて真っ暗に――。
慌てて分電盤を見てもブレーカーはすべて「ON」のまま。
そんなとき、いったい何が起きているのでしょうか。
実はこのようなケース、家の中の問題ではなく外の配線や分電盤の故障が原因で起きることがあります。
特に台風や大雨の後などは、電線が切れていたり、強風で配線が傷んでいる場合も少なくありません。
筆者の自宅でも、まさにそんな出来事がありました。
夜の20時頃、家族がお風呂に入っていた時に突然「バンッ!」という大きな音。
次の瞬間、家中の明かりがすべて消え、スマホのライトだけが頼りの真っ暗な空間に…。
慌てて分電盤を確認しましたが、ブレーカーはすべて上がったまま。
結果として原因は台風で飛ばされた金属片が家と電柱をつなぐ電線を傷つけていたことでした。
このように「ブレーカーが落ちていないのに停電する」ケースは、外のトラブルが原因であることも多いのです。
この記事では、停電時にブレーカーが落ちていないときの対処法、そして分電盤の場所と確認ポイントを実体験をもとに詳しく解説します。
停電時にブレーカーが落ちていないときの対処法
停電しているのに、ブレーカーも漏電遮断器も落ちていない――。
そんな時は、以下のような3つ原因が考えられます。
- 分電盤の故障:平均寿命は約13年~15年。
内部の経年劣化で電気を通さなくなることがあります。 - 天災による断線:台風や強風で電線や配線が切れている可能性があります。
- 工事による計画停電:電力会社による設備点検で一時的に電気が止まることがあります(チラシやメール通知を確認)。
分電盤の故障なら交換が必要ですが、断線の場合は電力会社に連絡すれば無料で修理してもらえるケースが多いです。
まずは次の3ステップで冷静に確認しましょう。
- 周囲の家の様子を見る(自宅だけの停電か、近隣も停電か)
- 分電盤のブレーカー位置を確認(「下」になっていないか)
- 電力会社や管理会社へ電話(外部トラブルの可能性を伝える)
まずは焦らず「自宅だけの停電かどうか」を外から確認しましょう。
自分で触ると感電の危険があるため、絶対に触れないようにしましょう。
天災による断線の復旧手順
筆者の家で実際に起きた「台風による断線」。
真夜中の停電で焦りましたが、復旧までの流れをまとめると以下のようになります。
- まず近所の家の電気を確認(自宅だけ停電していることを確認)
- 分電盤のブレーカーを確認(すべてONのまま)
- 一度すべてのブレーカーをOFF → 再度ONに戻す
- 復旧しなければ断線の可能性大
- 電気料金の明細にあるカスタマーセンターへ連絡
夜間は電話が混み合うため、翌朝6時前後の連絡が最もつながりやすいです。
電力会社が来たら、次の点を説明しておくとスムーズです。
- 停電の発生時間
- 家中すべてか一部か
- 周囲の家の明かりの有無
作業員はまず分電盤をチェックし、その後屋外の配線や電柱を調査します。
筆者の家では、金属片が電線を切断していたことが判明し、その場で新しい配線に引き直してもらいました。
もちろん修理費用は無料。
わずか30分ほどで復旧しました。
分電盤はどこにある?見つけ方と役割
分電盤は、家中に電気を分配する「電気の心臓部」です。
停電時に確認するためにも、普段から場所を把握しておきましょう。
- アパート:玄関ドアを開けてすぐ上部の壁
- 一戸建て:脱衣所や洗面所、または廊下の上部
- 店舗・事務所:出入口付近の壁やカウンター裏
探しても見つからない場合は、契約している不動産会社か電力会社に問い合わせるとすぐに教えてもらえます。
分電盤にある3つのブレーカーの役割
- アンペアブレーカー(左側)
家庭全体の電力量を管理するブレーカー。
消費電力が契約アンペアを超えると自動的に電気を遮断します。
「ドライヤー+電子レンジ+エアコン」で同時使用などが典型的な例です。 - 漏電ブレーカー(中央)
コンセントの埃や湿気、水濡れなどで電気が漏れると作動します。
感電や火災を防ぐ重要な安全装置です。 - 安全ブレーカー(右側)
部屋ごとに設けられており、各エリアの電気回路を守ります。
キッチンだけ・リビングだけの停電は、このブレーカーが原因であることが多いです。
ブレーカーごとの復旧方法
停電のタイプによって復旧手順は異なります。
無理に操作すると感電の危険があるため、必ず順番を守りましょう。
アンペアブレーカーが原因のとき
電気を使いすぎてブレーカーが落ちている場合は、使っている家電を一度すべてOFFにしてからONに戻すのが基本です。
再び落ちるようなら、契約アンペアの変更も検討しましょう。
漏電ブレーカーが原因のとき
漏電ブレーカーが落ちている場合は、以下の手順で確認します。
- 安全ブレーカー(右側の小ブレーカー)をすべてOFFにする
- 漏電ブレーカーをONに戻す
- 安全ブレーカーを1つずつONにし、再び落ちた場所を特定
- 該当部屋のコンセントを全て外し、埃・焦げ跡を確認
- 原因が不明な場合は電気工事業者に連絡(素人作業は危険)
漏電は感電や火災につながる可能性があるため、自分で修理せず専門業者に依頼してください。
安全ブレーカーが原因のとき
特定の部屋だけ停電している場合は、使用中の電化製品がショートしている可能性があります。
まずすべての機器のプラグを抜き、焦げや変色がないかをチェック。
異常がなければ安全ブレーカーをONに戻せば復旧します。
停電の主な原因と確認手順
停電の原因は1つではありません。
次のように「家庭内要因」と「外部要因」に分けて考えると、原因の特定がスムーズです。
家庭内の原因
- 電気の使いすぎ(契約アンペアを超過)
- 家電のショート(古い延長コード・タコ足配線)
- 漏電(コンセントの埃・湿気・水濡れ)
- 分電盤や配線の経年劣化
外部の原因
- 台風・落雷・積雪などの天災による断線
- 電力会社の設備工事
- 近隣トラブルによる停電範囲拡大
まずは外に出て周囲の明かりを確認。
自宅だけであれば家庭内の問題、周囲も真っ暗なら地域全体の停電です。
停電を防ぐための事前対策
いざという時に慌てないよう、普段から次の準備をしておくと安心です。
- 懐中電灯・LEDランタンを常備(電池の残量も定期確認)
- 分電盤の場所とブレーカーの名称を家族で共有
- スマホを常に80%以上充電しておく
- 延長コードやタコ足配線を整理しておく
- 電力会社の緊急連絡先を冷蔵庫などに貼っておく
これらを把握しておくだけで、突然の停電でも落ち着いて対応できます。
まとめ|停電時に焦らないために役立つ知識を整理
停電時にブレーカーが落ちていない場合、外の配線トラブルや分電盤の故障が疑われます。
焦らず次の手順で確認しましょう。
- まず周囲も停電しているか確認
- ブレーカーの位置・状態を確認
- 復旧しない場合は電力会社へ連絡(無料対応あり)
- 漏電やショートは絶対に自分で触らない
- 日頃から分電盤の場所と使い方を把握しておく
夜間の停電は不安になりがちですが、正しい手順を知っていれば大きなトラブルにはなりません。
電気の大切さを改めて感じつつ、日常から「備え」をしておくことが大切です。
【参考】